「非核二・五原則化」模索の実態が明らかに(産経新聞)

 核持ち込みに関する日米密約問題をめぐり、時の政権中枢や外務省幹部が真剣に核兵器搭載米艦船の一時寄港を認める「非核二・五原則化」を模索した実態が、19日の衆院外務委員会での参考人質疑で明らかになった。在任中に核兵器搭載の米艦船の日本寄港は「あり得た」と語った東郷和彦元外務省条約局長らの証言は、非核三原則を変更しようとしない鳩山政権に重い課題を投げかけている。

 大平正芳元首相の娘婿の森田一元運輸相は、大平氏が外相時代の昭和49年、核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」との非核三原則のなかで、核搭載艦船寄港を「持ち込ませず」から除外する非核二・五原則化を真剣に検討していたことを明らかにした。

 大平氏は38年にライシャワー駐日米大使から核搭載艦船の日本寄港は、事前協議の対象外との米側解釈を伝えられた当事者だった。同年、ゴルフ場に向かう車中で、大平氏は小さな声で「イントロダクション(核持ち込み)…」とつぶやいたり、一人考え込む様子だったという。

 田中内閣の総辞職で、非核二・五原則化は頓挫するが、この問題をうやむやにできないという大平氏の思いは強かったようだ。森田氏によると、首相に就いた大平氏は55年4月、首相執務室で当時の伊東正義官房長官らに向かい「核の問題について国民に分かってもらえるいい方法はないか」とたずねた。伊藤氏らが「難しい」と答えると、「難しいからこそ君たちに聞いているんだ!」と憮然(ぶぜん)とした表情だったという。

 平成10〜11年に条約局長を務めた東郷氏は、小和田恒、丹波實両元条約局長が作成したメモの存在を暴露した。「非核二・五原則の方向で問題を収斂(しゅうれん)し、きちっと国民に説明すべきだ」という内容だったという。

 鳩山内閣は3年に米国が艦船に核兵器を搭載しない政策をとったことで、日本への核持ち込みはないと説明している。東郷氏はこの点について、今後米国が政策変更する可能性を指摘し、「海上への(核)持ち込みを認めるという非核二・五原則に立つのが最善だ」と訴えた。

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